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左官の仕事をしています。仕事はおもしろいです。
自己満足ではダメですね。常に新しいことを勉強しています。
齋藤さんは、この道46年のベテラン。取材の日に作業していた職人さんも、みな30年以上のベテランだそうだ。
何年くらいで一人前になれるのかたずねると、10年はかかるという答えが返ってきた。例えば、今回の現場の外装だけに限れば、2~3年で一人前になれるが、左官は外装だけでなく内装もあり、どんな仕事もできるようになるには、やはり10年は必要だという。
昔は3~4年工程だったが、現在は板状の下地材ができ、それにあわせたモルタルを塗り、下地を仕上げる。
ベテランの職人としては、昔ながらの方がおもしろいが、現在の工法は職人の技術の差をなくし、品質の均一化を図ることができる。しかし、以前の工法より難しくなくなったといっても、齋藤さんは新しいことを勉強し続けている。
左官の仕事は色々な現場にある。木造だけでなく鉄筋・鉄骨造り、学校などの大きな建物もある。内装・外装、壁だけでなく床や階段もあり、一人前になるのに10年というのもうなづける。
左官に限らず、家を建てる際には雨は敵となる。この日もあいにくの雨、塗れてしまったところは作業ができないので、乾いているところだけを行い、雨に濡れないようビニールで覆い、作業を終えた。
その日の天気により、乾き方が異なるため、そのタイミングを逃さないよう進めていくのは、やはり経験による職人の勘。
また、方角でもかえる。南向きと北向きでは、太陽光の当たり方が違うので、乾く速さが変わるからだ。厚みによっても塗り方を変えている。
つまり、現場によって材料も塗り方も変わるため、同じことをしているようで、毎日が違うのだ。
左官は化粧と同じ・・・職人の腕で、その仕上がりの美しさが違う。そこがおもしろいという齋藤さん。それは確かな腕を持つ職人の自信があっていえることだ。
「日曜左官という言葉はないでしょう?」その言葉にプライドと自信を感じた。
そんな齋藤さんは、現場にこだわる。プライドも自信も当然あるだろう。でも、もっと強い気持ち「左官が好き」。仕事は楽しい。だから現場に出ていたい。そんな純粋な思いが、努力も忘れさせないのだろう。自分の腕を過信することなく、勉強会には進んで参加する。「基本通りにはいかない。毎日が研究です」
「もうすぐ半世紀ですから・・・」
50年を過ぎても、齋藤さんは勉強をかかさず、現場に立ち続けるだろう、自信に裏打ちされた優しい笑顔で。